
![]() |
タイトル | 半分の月がのぼる空5 |
| 著者 | 橋本紡 | |
| イラスト | 山本ケイジ | |
| 出版 | 電撃 | |
| 発売日 | 2005年9月 |
| 執筆者:jade | 評価:A |
| あたし、裕一からなにもかも奪っちゃうんですよね─── 前巻で自分の決意を告げた裕一とそれを受け入れた里香。 お互いの気持ちを通い合わせて迎えた今回は二人のラブラブな日々が繰り広げられ…るはずもなく、二人の決意を試すような出来事が次々と待ち構えています。 誇張するでもなく、またオブラートに包むこともなく、ただ目の前にある現実を突きつけてくるから読んでいて痛いの何の。冷たい現実の前にいつも強気な里香が弱音を漏らすほど。 読んでいて何度切ない気持ちを抱いたことか! そんな中、一際目立ったのが裕一の成長でしょう。 夏目、老夫婦、里香の母など、周囲の人間から二人には明るい未来など決して待っていないことを突きつけられて、尚、決意が揺るぐことなく里香と共に生きていくことを改めて誓う裕一。 これまでの裕一なら間違いなくへこたれていたことでしょう。 バカでガキでヘタレだけど、失敗や間違いは犯すけど、それでもいちばん大切なものをわかっている裕一の姿はかっこよく映り、胸に来るものがありました。 また、亜希子さんの活躍も見逃せません。里香との屋上での会話は間違いなく今回のベストシーン。 口は悪いけど毎回的確な助言をして背中を押す彼女の功績には助演女優賞を与えたいくらいですね。 二人が身を寄せ合うラストシーンは幼なくも微笑ましく、そしてあまりにも綺麗だったので、これで終わりなのかなと思ってしまったのですが、あとがきによればもうちょっとだけ続くとのこと。 著者が言うように実際この巻で終わらせてもまったく違和感がないラストだし、ライトノベルというジャンル的にはこのまま幕を下ろすのが最良なんでしょうが、私的にはこの決断は大歓迎。 やはり人間が持っている汚い部分を最後まで描ききってこそ、この物語のテーマである普通の少年少女の物語と言えると思いますし、綺麗なままで終わらせてしまってはインパクトが弱く、ただの良作で終わってしまいますからね。 それに私はバッドエンド大好きっ子ですから(笑 次巻の発売日(半年後?)が今から楽しみです♪ |
|